今回ピックアップする'00年2月1日号、目玉はなんと言っても、史村翔氏とちばてつや氏という“超”巨匠タッグによる読み切り作品
『グッドモーニング』! 知らない方は少ないと思いますが、史村翔氏は、本誌連載中の『覇-LORD-』原作者・武論尊氏のもう一つのペンネーム。“漫画好き”の人なら、このお二方がコンビを組んだ作品というだけで、絶対読みたいと思うハズ。…主人公は、会社では上司に怒鳴られ、家では家族に邪魔者扱いされる中年サラリーマン。ある日、ストレスの限界にきた彼は家出することを決意するが…。「働くお父さんへの思いを素直に」(史村氏)、「疲れた人がホッとするものを」(ちば氏)という著者の思いが込められた珠玉の一編。枠線もフリーハンドのちば氏のペンタッチが、温かみを感じさせてくれます。いつかまた、スペリオールでこのお二方の作品が読めるといいですね〜。
前回も書きましたが、この時期のスペリオールは21世紀に突入ということで、新連載攻勢に加え、『The Age of 30s』と題して読み切りシリーズを掲載していました。この前号では、石坂啓氏の
『メロスな人々』という読み切り作品が掲載されました。…友人の借金の連帯保証人になってしまった主人公の小学校教師・桜井。その資金をもとに開店した友人の店は潰れ、借金取りが桜井のもとにやって来たが…。現実にもあり得るシビアな題材の作品。石坂作品ならではの「身につまされる感じ」の物語です。
同じく前号よりスタートした新連載は原作・花村萬月氏、作画・さそうあきら氏の
『犬犬犬(ドッグドッグドッグ)』。…小学生で両親を殺害した過去を持つ主人公・伊達賢は、ヤクザにさえも怖れられる青年。感情がマヒした賢を、人々は「マヒケン」と呼ぶ。ある日、マヒケンはベンツに乗ったチンピラ・高沢に足を轢かれた。「文句があるなら事務所に来い」という高沢の言葉に従い、マヒケンは組事務所に乗り込む。賢を怖れる組長は賢の目の前で、落とし前として高沢の指を詰めた。その一部始終を、賢は表情ひとつ変えずに見つめていた…。芥川賞作家・花村氏と、数々の問題作を世に送り出すさそう氏が放った秀作。未成年による驚愕の犯罪が社会を驚愕させた当時、その加害者たちの心理を抉るような作品です。そういった犯罪がますます増えてきているように思う昨今、あらためて読んでみたい一編です。
コラムでは、本誌連載作品『こまねずみ出世道』の原案者、今は亡き青木雄二氏の
『銭道』が連載中。『ナニワ金融道』でその名を世に知らしめた青木氏が、自身の“
金儲け”のノウハウを余すところなく語ってくれています。単行本は文庫化され、現在も発売中です。ぜひご一読あれ!